売上先が倒産したために回収できなくなった売掛金・・・
そんな不良債権の処理方法としては、債権譲渡や債権放棄などが考えられます。
今回は、債権放棄した金額を経費で落とすやり方をみていきます。
「貸倒損失」として経費で落とす
不良債権を経費として落とす場合、「貸倒損失(かしだおれそんしつ)」という勘定科目を使って経理処理します。
この貸倒損失の計上については、ややきびしめの条件があります。
税務調査においても必ず聞かれる論点なので、その債権に関する証拠書類はきっちり残しておく必要があります。
貸倒損失を計上するための3つの条件
次の3つの条件のどれかをクリアしていれば、貸倒損失を経費として落とすことができます。
- 法律上その債権が切り捨てられた
- 債権の全額が事実上回収できなくなった
- 1年以上その会社と取引がない etc.
・法律上その債権が切り捨てられた場合
「法律上その債権が切り捨てられた場合」とは、
- 売上先が倒産
- 売上先がずっと債務超過で、売掛金などの回収ができない状態
である場合をいいます。
この場合、その免除した(切り捨てた)売掛金などの債権は、貸倒損失として経費で落とす必要があります。
落とすか、落とさないかは選択できません。
強制的に落とすことになります。
ただし、「売上先がずっと債務超過で、売掛金などの回収ができない状態」のケースについては、内容証明郵便などで債務免除する旨を通知することが条件となります。
・債権の全額が事実上回収できなくなった場合
「債権の全額が事実上回収できなくなった場合」とは、
- 売上先が、法律的には倒産していないけど、事実上それに近い状態にある場合
をいいます。
この場合、貸倒損失として経費で落とすことができます。
(「できる」であって、「強制」ではありません。貸倒損失の計上をしなくてもOKです。)
ただし、担保にとっているようなものがあれば、それを処分した後でなければ、貸倒損失を計上することはできません。
・1年以上その会社と取引がない場合など
このケースは、「売掛金」のみが対象となります。
貸付金など、売上に対する債権でないものは対象外となります。
具体的には、
- 1年以上その売掛金の入金がない
- 売上先が遠くにあり、回収できていない売掛金よりも交通費などの取り立て費用のほうがかかってしまう
のようなケースがあげられます。
このようなケースに該当した場合は、
- 売掛金の金額 − 1円
を貸倒損失として経費で落とすことができます。
※この「1円」は「備忘価額」といい、帳簿上に残しておくメモ書きのようなものです。
【HMJのつぶやき】
昨日は、新宿→自宅→事務所。
新宿での自分の買い物に7ヶ月児も付き合ってもらいました。
新宿駅西口駐車場から小田急ハルクにあるビックカメラへ。
ベビーカーだったため、ちょっとした階段の多さがよく分かりました。
60年代の新宿駅西口付近の写真を見ると、今とほとんど変わらなくて驚きます。
もちろん、20年前とも変わってなくって、そんな自分も変わってなくて、西口の地下を歩いているとちょっと切なくなります。
【昨日の1日1新】
SHURE SE215 Special Edition
家族と東京麺通団
税理士、東京。自由、DIY、シンプル。音楽と地下鉄。
独立・起業・スモールビジネス、ベッドルームから始めよう。
「ちゃんとする」で「いい感じ」を「もっといい感じ」にする税理士事務所をやっています。