新型コロナウィルスの影響を受け、今年、赤字を見込んでいる事業者は多いはず。
今年赤字のフリーランス・個人事業主で、青色申告の方であれば、去年支払った所得税が戻ってくる可能性があります。
①今年赤字で②去年黒字なら、税金が戻ってくる。青色申告のフリーランス・個人事業主
まずは、赤字の繰り越しの説明から。
赤字は3年繰り越せる
青色申告のフリーランスが赤字の場合、その赤字は他の所得と相殺することができます。
黒字である所得からその赤字の金額を差し引くことができるのです。
その結果、所得は小さくなり税金(所得税)は安くなります。
そして、それでも引ききれない赤字については、3年間繰り越すことが可能です。
2020年に生じた赤字で引ききれなかったものは、繰り越すことによって、2021年・2022年・2023年の所得から差し引くことができます。
もし、3年目の2023年でも引ききれず余ってしまった場合については、そこでその繰り越してきた赤字は消滅となります。
【所得税の繰り戻し還付】去年の黒字からも差し引ける!(それはつまり、去年の税金が戻ってくるということ)
条件は、
- 青色申告で
- 2019年(去年)は黒字で所得税が生じていて
- 2020年(今年)は赤字で
- 2020年(今年)の確定申告書の提出と同時に、『純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書』を提出した場合
これらの条件を満たしていれば、去年分の所得税が還付されます。
通称「繰り戻し還付(くりもどしかんぷ)」と呼ばれている制度です。
去年黒字で今年赤字なら、今年の赤字部分に対応する去年の所得税が戻ってきます。
還付を受けた後の余った赤字部分については、やはり3年間の繰り越しがOKとなります。
ちなみに白色申告の場合は?
白色申告の場合は、青色申告のように赤字を3年間繰り越せるような優遇措置はありません。
ただし、例外があります。
災害によって生じた赤字については、3年間の繰り越しが認められています。
今回のような「新型コロナウィルス」による損失も、この「災害によって生じた赤字」として認められます。
専門用語を使って言わせていただくと、「事業用資産に生じた災害による損失等」が3年間繰り越しの対象となります。
まとめると・・・
まとめると、
- 青色&赤字で、その赤字は3年間繰り越しOK
- 青色&今年赤字&去年黒字で、去年の所得税が還付される可能性あり
- 白色は3年間繰り越しNG&還付もなし、だけど、例外として「事業用資産に生じた災害による損失等」の3年間繰り越しOK
というところになります。
頭の片隅に置いておいて、来年、確定申告するときに思い出してみていただければと思います。
【編集後記 〜税理士・前川秀和のつぶやき〜 】
昨日は打ち合わせ1件。
長男、塾(今はZoomでオンライン授業)があることを忘れていたため、早めに学童にお迎えに。
【1日1新】
Evernoteのベータ版
【長男と次男 〜9歳児と3歳児のマイブームなど〜 】
こんなにも勉強しろ勉強しろと自分が言うようになるとは。。もっとうまく誘導しないとな。ユウドウブレイカー
税理士、東京。自由、DIY、シンプル。音楽と地下鉄。
独立・起業・スモールビジネス、ベッドルームから始めよう。
「ちゃんとする」で「いい感じ」を「もっといい感じ」にする税理士事務所をやっています。